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『農業と経済』2013年12月号

 現在、台風27号と28号が日本本土に迫ってきています。台風26号で多くの犠牲者を出した大島では、まだ行方不明の方々の捜索が続き、再度の大雨や暴風での被害が懸念されます。26号で被災された方々にお見舞い申し上げますとともに、新たな被害が出ないよう、心から祈念します。
 京都も、先の台風18号の際に観光地である嵐山の状況はニュースなどでもたびたび報道され、その後の復旧作業も映し出されました。その一方で、水に浸かってしまったたんぼなど、各地のその後はあまり報道されません。現実には多くのたんぼが復旧の見込みのないまま、いまだに放置されています。
 長引く不景気で、世間の関心が経済再生に向いているのであまり注目されませんが、10月半ばまで真夏日が続いた今年の天候は、地球温暖化が確実に進行していることを感じさせます。杞憂であればよいのですが、温暖化は徐々に進行していくとしても、生態系にとっては「閾値」を超えると突然の大変化に襲われるのではないかと考えてしまいます。
 本号で特集された林業は、温暖化進行に対するバッファとなる森林やその生態系にとって、重要な鍵を握っています。また、水害の防止や今後世界的に見込まれる水不足に対する水資源の涵養にも大きな役割を果たします。しかし、都市部に人口が集中する現代では、森林の変化はややもするとなかなか目に入りません。目の前の不景気や災害に目はとらわれがちですが、その裏で徐々に進行していく大きな変化に対して、少なくとも先進国は20世紀にずいぶんと学んできたはずです。自然の変化を感じるためにも、もっと山や森に出かけてみたいと思います。(R)

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