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『農業と経済』2018年9月号

今年の7月はサッカーのワールドカップが盛り上がりを見せた一方で、西日本を中心に大水害が起こってしまいました。早くから警戒はされていたものの、予想以上に広範囲・長期間の豪雨で、200人を超える死者・行方不明者が出てしまいました。心からご冥福をお祈りいたします。さらにその後の猛暑は延々と続いていて、会社の窓から見える道路脇の気温表示は、連日40度近いものとなっています。災害からの復旧作業のたいへんさがいかばかりか、想像できません。
 世間の目がサッカーや水害、猛暑に行っている間にも国会では法案の採決が進み、いわゆる「働き方改革関連法」が成立しました。その是非や狙いについては賛否あるとして、農業についても周年雇用が広がるなか、雇用する側もされる側も、農業が魅力ある職場となるように考えるよいチャンスなのかもしれません。家族経営から雇用経営に変わるギャップは非常に大きいでしょうが、その分、逆に思い切った改革にならざるをえないのではないでしょうか。
 一般企業では、長年継続してきた雇用制度を変えるのは簡単ではありません。なにより役員のほとんどが、従来の雇用制度の上で役員にたどり着いてきたからです。これは行政組織などでもいえそうです。農業では、地域の閉鎖性などが問題となってきましたが、一昔前とはかなり違ってきています。都会での仕事がさらに「成果」と「報酬」に集約されていきそうな時流のなかで、農業が全く違う「職場の魅力」を活かせそうに思います。
 そのためにも、水害や猛暑でも報道されることの少ない農地、林地の状況に、しっかりとした復旧支援を継続しておこなって欲しいものです。東日本大震災や熊本地震の被災地でも、置き去りにされている地域は少なくないでしょう。地方での農業や自然の重要性は、はかりしれません。単に「働き方」だけでなく、「生き方」を考えて、復旧・復興を応援したいと思います。(R)

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