ホーム > お知らせ > 『農業と経済』2018年7・8月合併号

『農業と経済』2018年7・8月合併号

日大と関学といえば、大学アメフトの東西の雄。大学日本一を決める甲子園ボウルでも、30回近く優勝を争っています。その両雄の定期戦で、明らかなラフプレーがあり、それをめぐって両チーム間のみならず、選手と監督・コーチ・大学の間で責任問題が持ち上がっています。これまでの報道では、本来最も責任あるはずの監督が、どうにもその責任から逃げているようにしかみえませんが、それ以外にもいろいろと不思議と思えることがあります。
 もとより選手同士の激しいコンタクトがあるアメフトでは脳損傷を起こしやすく、それをビジネス優先で組織ぐるみで隠蔽したアメリカプロリーグの例もあり、危険な行為には厳しい目が向けられているはずだと思います。しかし、今回の映像では、最初のプレーは反則となっているものの、一発退場にはならず同様の反則の3回目で退場となっています。こんなものなのでしょうか?また、これだけ「問題」となったのも、ネット上で騒がれたからで、ネットがない時代であればどういった結末となったのか。さらには、相手を「潰す」という言葉が日常的に使われていると平気で主張するのは、「アメフト界」の常識なのでしょうか。
 人は、組織や上司の圧力にさらされると、本人の意志とは違った行動をとってしまいがちです。JAの「自己」改革にも、政府圧力という大きなプレッシャーがかかっています。組織などで上からの誤った判断に基づく命令に対して、きちんとノーがいえる、そういう成熟した社会構造は、なかなか実現できそうにありません。成果優先が当たり前のようになってしまっている現代日本だからこそ、個人の判断力の重要性と正しいものを支えられる体制が問われています。
 もうすぐサッカーのワールドカップが始まります。直前で監督交代というハプニングに見舞われた日本代表。どこの国も勝つためにかなり「熱い」プレーをすることでしょうが、終わったときに互いの健闘を心からたたえ合えるような、気持ちのよい熱い戦いが繰り広げられることを期待しています。(R)

このページのトップへ