ホーム > お知らせ > 『農業と経済』2018年5月号

『農業と経済』2018年5月号

国連人権理事会からの「報道の自由」についての勧告を日本政府が拒否したという報道がありました。200を超える勧告のうちの一つであり、勧告そのものが正しいのかどうかを見きわめる必要もあるので、一概にはその是非は言えないのでしょうが、出版という仕事をするものにとっては、かなりショックです。
 すでに安倍政権のマスコミへの圧力についてはかなり浸透してしまっており、そこへ森友学園をめぐる文書改ざん問題などが折り重なって、いったいどういう発言や報道が正しいのか疑心暗鬼になっているところへ、国連という第三者から「勧告」があったのもショック、それを拒否したのもショック、というところです。この感覚は、出版関係者のみならず、一般的にも広がっていると思え、3月の確定申告で税務署前で抗議活動が起こったのも、当然といえるでしょう。
 日本の農産物の「輸出促進」も、どこまで本気で考えているのか、不安がつきまといます。もともと貿易競争力が高いわけでもなく、食料の6割以上を輸入に頼る現状で、具体的にどんな成算を描いているのか。消費税を12%まで引き上げるような話が出る中で、後押しがどこまで続くのか。花火を打ち上げて、やる気を促すのも悪いとは思いませんが、政策の成否の見通しについては十分な吟味が必要です。見通しもなくお金を使ってうまくいかず、そのツケを消費税に回すなら、政治的判断力に欠けているだけ、ということでしょう。
 単にかけ声や勢いだけではない、本当の意味で「戦略」を練ることのできる公的組織が、今日本に存在しているのでしょうか。政権への忖度が優先する官僚組織、あるいはそれを求める政権、そういう政治家のかけ声で「オールジャパン」といえる戦略は可能なのでしょうか。日本食が注目されているせっかくの機会をうまく活かすために、みせかけに終わらない地に足のついた戦略が求められています。(R)

このページのトップへ

関連書籍

農業と経済 2018年5月号(vol.84 No.5)

農業と経済 2018年5月号(vol.84 No.5)

産地発展につなげる農産物輸出

立ち読み
 
 

このページのトップへ