『農業と経済』2018年1月2月合併号
人口33万人、日本でいえば高知市や前橋市、旭川市、東京都では新宿区や中野区相当の人数です。この数の「国民」の国、アイスランドが2018年ロシアワールドカップへの出場を決めました。このグループにはクロアチアやトルコといった力のあるチームも入っており、決して運だけで勝ち残れるはずはありません。国内にプロリーグはなく、他国のリーグに所属している100人のプロのなかから代表が選ばれています。これまで2006年に130万の人口で出場したトリニダード・トバゴが最小人口だったので、記録を塗り替えたわけです。
ロシア大会に出場できなかった中国の4000分の1、アメリカの1000分の1ほどの小国が、予選を勝ち抜けた理由はどういったところにあるのでしょうか。国民500人に一人がUEFAコーチライセンスをもつといわれ、指導者の人材育成が充実していて、その指導者が若い世代の育成に力を発揮している点や寒冷な気候でも練習のできる室内サッカー場の建設といったことが指摘されています。
リーマンショックを含む世界金融危機でそれまで1人当たりGDPが世界5位であったアイスランドは大きな打撃を受けました。しかし、その後通貨安もあって近年では危機を乗り越え、再び活気を取り戻しつつある中での快挙は、少なくともロシアワールドカップまでは国民全体を勇気づけることは間違いありません。
今回本誌で特集した「小さな農業」。それを維持していくためには、大規模農業や企業的農業経営とは違った戦略が必要だと思います。同時に小さいからこそできる戦略や、輝ける魅力も生まれてきます。グローバル化、大規模化に目がいきがちですが、それが全てではありません。小さな農業に光を!
アイスランドの活躍を楽しみに、2018年を迎えたいと思います。 (R)
ロシア大会に出場できなかった中国の4000分の1、アメリカの1000分の1ほどの小国が、予選を勝ち抜けた理由はどういったところにあるのでしょうか。国民500人に一人がUEFAコーチライセンスをもつといわれ、指導者の人材育成が充実していて、その指導者が若い世代の育成に力を発揮している点や寒冷な気候でも練習のできる室内サッカー場の建設といったことが指摘されています。
リーマンショックを含む世界金融危機でそれまで1人当たりGDPが世界5位であったアイスランドは大きな打撃を受けました。しかし、その後通貨安もあって近年では危機を乗り越え、再び活気を取り戻しつつある中での快挙は、少なくともロシアワールドカップまでは国民全体を勇気づけることは間違いありません。
今回本誌で特集した「小さな農業」。それを維持していくためには、大規模農業や企業的農業経営とは違った戦略が必要だと思います。同時に小さいからこそできる戦略や、輝ける魅力も生まれてきます。グローバル化、大規模化に目がいきがちですが、それが全てではありません。小さな農業に光を!
アイスランドの活躍を楽しみに、2018年を迎えたいと思います。 (R)