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核開発時代の遺産

未来責任を問う

核開発時代の遺産

核開発がもたらした施設やその影響は片づけられない「遺産」となっている。 この現実に私達日本人は正面から向き合わねばならない

著者 若尾 祐司
木戸 衛一
ジャンル 社会
歴史・地理
出版年月日 2017/10/20
ISBN 9784812216347
判型・ページ数 A5・380ページ
定価 3,850円(本体3,500円+税)
在庫 在庫あり
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目次

第Ⅰ部 「平和利用」への道を開く
 第一章 アメリカにおける「パワー」としての核――核兵器と原子力
 第二章 オブニンスク、1955年
      ――世界初の原子力発電所とソヴィエト科学者の〝原子力外交〟
 補論1 国際原子力機関(IAEA)
 補論2 放射性物質の小史――ラジウム、ウラン、アイソトープ

第Ⅱ部 核サイトの軌跡
 第三章 英ドーンレイと「アトミックス」たちの遺産
      ――原子力研究開発拠点と立地地域の関係は如何に展開したか
 第四章 フランス・マルクールサイトの歴史――核軍事利用から民生利用への変遷
 第五章 西ドイツ「原子力村」の核スキャンダル
      ――核燃料製造企業の立地都市ハーナウのイメージ
 第六章 東独のなかの「原子力国家」――ウラン採掘企業「ヴィスムート」の遺産
 補論3 ネヴァダ実験場から見る米国の核実験の歴史と記憶

第三部 核開発の現在と未来
 第七章 アメリカ合衆国のウラン鉱山・製錬所の社会環境影響
      ――ナバホ先住民族(ディネ)居留地の過去の負の遺産を中心に
 第八章 フィンランドにおける高レベル放射性廃棄物の表象――冷戦の影響を背景に
 第九章 オーストリア国民と核技術の半世紀――「原子閉鎖」「原子力なし」の道筋
 補論4 「核サイト」研究の補助線
      ――失敗した日本の原発設置計画・三重県の芦浜原発計画を中心に

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内容説明

地球を何度も破壊できるほどに進んだ核の軍備競争は、一方で「平和的利用」として多くの原発を産んでいった。輝く未来の夢に浮かされるように、各国は「平和利用」の開発競争になだれ込んだ。そして、核開発がもたらしたさまざまな施設やその影響は、いまや片づけることのできない「遺産」となって横たわっている。 この現実に私たち日本人は、正面から向き合わねばならない。

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