目次
第一章 ゼロ年代における環境思想研究の新たな展開
第二章 ゼール『自然美学』の倫理学的位置づけ
第三章 社会技術論からみた科学技術社会論
第二部 世代間倫理の深化
第四章 3・11以降の弁神論的思考とシェリング
第五章 「ナガサキ」から「フクシマ」へ――本島等による「浦上燔祭説」の解釈をめぐって
第六章 「気づかう神」の世代間倫理――ヨーナスの自由論
第三部 近接領域との対話
第七章 原発事故をめぐる三書を読む――あるいは「現代思想」の有効性についての省察
第八章 記憶のエンターテインメント化は避けられないのか
―古市憲寿『誰も戦争を教えてくれなかった』と東浩紀編『福島第一原発観光地化計画』を読む
内容説明
3・11の東日本大震災は、津波による被害に続いて原発事故という、簡単には癒えない傷跡を残した。いや、傷跡というよりもいまなお広がり続ける傷といったほうがよいのかもしれない。この風景を前に、わたしたちは未来へ向かってなにをすべきなのか。倫理学の視点も大きな転換を迫られている。