目次
第Ⅰ部 生命を支援する―揺れ動く家族
第一章 「福祉を通じた教育」の選別と子ども
――赤いウィーンの子ども引き取りと里親養育(江口布由子)
第二章 未婚の母の救済/非嫡出子の放逐
――20世紀前半アイルランド社会の「道徳性」(岩下 誠)
第三章 「支援に値する」家族の選別における道徳と返済能力
――ハンガリーの「生産的社会政策」(1940-1944)と地域社会(姉川雄大)
【コラム1】戦争と子ども――広島の原爆孤児のゆくえ(中村勝美)
第Ⅱ部 生活を支援する―就学・福祉・コミュニティ
第四章 地域による「精神薄弱児」への支援と排除
――20世紀前半のイングランドの職業センター(大谷 誠)
【コラム2】学校に行かない子どもたち
――前世紀転換期イングランドの就学督促官(内山由理)
第五章 長期欠席者対策にみる国民国家の再編
――戦後高知県の福祉教員制度(倉石一郎)
第六章 重症心身障害児の生存と教育
――重症児施設「花明・木の花学園」における学校教育の成立(河合隆平)
第Ⅲ部 生計を支援する―就労と家族・地域・企業
第七章 「労働の訓練/教育」による浮浪児への支援
――19世紀末のマンチェスタ認定インダストリアル・スクール(三時眞貴子)
【コラム3】職業教育の危機とその対応
――19世紀フランス青少年支援事業「パトロナージュ」(岡部造史)
第八章 企業福祉としての教育支援
――20世紀前半キャドベリー社の補習教育と人材育成(土井貴子)
第九章 障害者の就労と「民族共同体」への道
――世界大戦期ドイツにおける戦争障害者への職業教育(北村陽子)
【コラム4】障害児の就労支援――ドイツ・クリュッペルハイムの職業教育(中野智世)
終 章 教育支援研究のゆくえ/おわりに(三時眞貴子)
内容説明
福祉国家体制が形成されつつあった十九世紀末~二十世紀半ばにおいて、家族・福祉・労働という「生存」に関わる領域で行われた社会的弱者(孤児、障害者、不登校児など)に対する教育(への/による)支援と、それが孕む排除性に焦点を当てようとする歴史研究。
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- 【掲載情報】『教育支援と排除の比較社会史』(「みんなのねがい」) - 2016.12.12