ホーム > 教育支援と排除の比較社会史

教育支援と排除の比較社会史

「生存」をめぐる家族・労働・福祉

教育支援と排除の比較社会史

家族・福祉・労働という「生存」に関わる領域で行われた、社会的弱者に対する教育支援とそれが孕む排除性に焦点を当てた歴史研究。

著者 三時 眞貴子
岩下 誠
江口 布由子
河合 隆平
北村 陽子
ジャンル 教育
社会
歴史・地理
出版年月日 2016/10/31
ISBN 9784812215555
判型・ページ数 A5・336ページ
定価 4,620円(本体4,200円+税)
在庫 在庫あり
この本に関するお問い合わせ、感想
 

目次

序 章 教育社会史研究における教育支援/排除という視点の意義(岩下 誠)

第Ⅰ部 生命を支援する―揺れ動く家族

第一章 「福祉を通じた教育」の選別と子ども
    ――赤いウィーンの子ども引き取りと里親養育(江口布由子)

第二章 未婚の母の救済/非嫡出子の放逐
    ――20世紀前半アイルランド社会の「道徳性」(岩下 誠)

第三章 「支援に値する」家族の選別における道徳と返済能力
    ――ハンガリーの「生産的社会政策」(1940-1944)と地域社会(姉川雄大)

【コラム1】戦争と子ども――広島の原爆孤児のゆくえ(中村勝美)

第Ⅱ部 生活を支援する―就学・福祉・コミュニティ

第四章 地域による「精神薄弱児」への支援と排除
    ――20世紀前半のイングランドの職業センター(大谷 誠)

【コラム2】学校に行かない子どもたち
     ――前世紀転換期イングランドの就学督促官(内山由理)

第五章 長期欠席者対策にみる国民国家の再編
    ――戦後高知県の福祉教員制度(倉石一郎)

第六章 重症心身障害児の生存と教育
    ――重症児施設「花明・木の花学園」における学校教育の成立(河合隆平)

第Ⅲ部 生計を支援する―就労と家族・地域・企業

第七章 「労働の訓練/教育」による浮浪児への支援
    ――19世紀末のマンチェスタ認定インダストリアル・スクール(三時眞貴子)

【コラム3】職業教育の危機とその対応
    ――19世紀フランス青少年支援事業「パトロナージュ」(岡部造史)

第八章 企業福祉としての教育支援
    ――20世紀前半キャドベリー社の補習教育と人材育成(土井貴子)

第九章 障害者の就労と「民族共同体」への道
    ――世界大戦期ドイツにおける戦争障害者への職業教育(北村陽子)

【コラム4】障害児の就労支援――ドイツ・クリュッペルハイムの職業教育(中野智世)

終 章 教育支援研究のゆくえ/おわりに(三時眞貴子)

このページのトップへ

内容説明

福祉国家体制が形成されつつあった十九世紀末~二十世紀半ばにおいて、家族・福祉・労働という「生存」に関わる領域で行われた社会的弱者(孤児、障害者、不登校児など)に対する教育(への/による)支援と、それが孕む排除性に焦点を当てようとする歴史研究。

このページのトップへ

関連書籍

映像と旅する教育学

映像と旅する教育学

古今東西の映像資料から教育問題を読み解

著者:倉石 一郎
 
イギリス教育学の社会史

イギリス教育学の社会史

教育学の歴史から学際的研究の本質に迫る

 
 
テクストと映像がひらく教育学

テクストと映像がひらく教育学

文学や映画を手がかりに教育問題を考える

著者:倉石 一郎
 
 
福祉国家と教育

福祉国家と教育

比較教育社会史研究の成果と新しい可能性

 
 

このページのトップへ